甲斐 扶佐義 写真展 ほんやらはんの道草
基本情報
- 会期
2026年04月28日(火) 〜 2026年05月03日(日) - 会場
1階, 2階 - 時間
12:00~19:00(最終日~17:00)
この度、写真集「京都出町」(ほんやら洞)出版50年を記念した写真展「ほんやらはんの道草」を開催することになった。
ほんやら洞は、ぼくと中尾ハジメと共に岩国市の反戦喫茶「ほびっと」の工事を終え、連合赤軍の「浅間山荘」事件を横目に工事を仲間と進めた。1972年5月30日の開店の日、日本赤軍派の岡本公三らの銃の乱射事件がテルアビブの空港で起こった(リッダ闘争)。この時の赤軍派の使用した銃は、「ほびっと」を舞台に米兵から赤軍へと受け渡されたという、あり得ないデマが流された。お陰で「ほびっと」はつぶれ、国を告発し裁判を続けた。「ほんやら洞」もあおりをくって出町でデマに包囲された。
しかし、ほんやら洞は、ビート詩人の片桐ユズルらの朗読運動や、権力の横暴と闘うシンガーの中川五郎らの「フォークリポートわいせつ裁判」を支援する人たちの熱い思いで支えられ、デマを覆すことになった。その間、ぼくは店に出入りする才能たちを前にコンプレックスを持ちながら、「オレも彼らに伍して行くぞ」と思いを募らせた。それと同時に、桑原甲子雄の写真集を見てこれならやれると思い、店の仕事そっちのけで11歳で習い覚えた写真の世界に没入し、釜ヶ崎、九州まで足をのばした。ほんやら洞は「市民運動の拠点」と化し始めているのに。
だが1977年には猛省し、「写真撮影中止宣言」をする。その記念に写真集「京都出町」を出版した。それがアメリカの大学で個展に招待され、京都新聞の連載が始まった。実はこの時点で写真だけでやっていける自信を持っていた。
それまで白眼視していた出町の古老たちからの展示要請を受け、銀行のロビーや商店街の中で展示をしたが、妙音弁財天や花屋さんの賀茂川べりの黒塀に貼り付けて「出町界隈あなたも写っていませんか?写っている方には最終日にタダであげ〼」展を開催した。これ以降、ぼくは出町では「ほんやらはん」とか「ほんやら洞はん」と呼ばれるようになった。それが本写真展のタイトルの由縁だ。
この賀茂川べりでの青空写真展を何回やっただろうか?
合計18000点あったキャビネ写真がなくなった。
これがもとで「出町ふれあい広場」が始まり、黒テントの「西遊記」が上演され、瀬戸内寂聴さんのテント内公演もあった。このイベントを機会に内外で「ほんやらはん」のやり方に批判もあったが、京都市経済局の中小企業指導所のコンサルタントの仕事も回ってきた。ここで一旦ほんやら洞の現場から身を引いた。
この「ほんやらはんの道草」はKYOTOGRAPHIEの本年のテーマ「EDGE」の刺激を受け、KGを讃える意味でも京の周縁(出町)展を開催することにした。
甲斐扶佐義
※本展を機会に、残存する数万点の今後の処理、アーカイブ化も検討して行きたい。
甲斐扶佐義(KAI Fusayoshi)
1949年大分市生。11歳で写真開始。1968年同志社大学政治学科入学、即除籍。1972年仲間と共に喫茶「ほんやら洞」開店。1977年写真集「京都出町」出版。1978年米国エバーグリーン大学で写真展。以降数年間で約20回鴨川べりで写っている人にタダで上げる大規模な写真展開催。1985年バー「八文字屋」開店。京都市経済局で商業診断の仕事にも従事。90年代から約10年京都新聞紙上でフォト&エッセイを連載。2001年より連続的に欧米各地で招待個展開催。写真集は40冊以上出版。2015年ほんやら洞全焼でモノクロネガ約200万コマ消失。
2009年京都美術文化賞受賞、2014年パリ・ボザール展ジャン・ラリヴィエール賞受賞、2023年京都府文化賞功労賞受賞。
主な写真集「笑う鴨川」(リブロポート)、「Beautiful Women in Kyoto」(冬青社)、「京都の子どもたち」(京都新聞出版センター)、「京都ほんやら洞の猫」(エディション・エフ)、「新版 地図のない京都」(月曜社)他。
ホームページ https://kaifusayoshi.com
インスタ https://www.instagram.com/kaifusayoshi/
1968年、同じ年に同志社大学に入学し、痩身の寡黙な甲斐青年を見覚えています。当画廊では4度目となる今展は、いよいよあの時代に立ち返るようです。懐かしい情景をどうぞ御高覧下さいませ。
人見ジュン子
夜話市民講座
甲斐 扶佐義 「写真事始め・ほんやら洞事始め」
5月1日(金) 18:00~19:30
参加費 1,000円(学生500円)
定員35名(要予約)
発掘された貴重な写真も映写します。
ご予約はメール又はお電話にて承っております。
ご来廊の際にスタッフへお申し出くださっても結構です。
皆様のご参加をお待ちしております。
mail : hillgatekyoto@gmail.com
tel : 0752313702

